逆 イールド カーブ。 逆イールドが発生するとなぜ景気後退入りが近いと言えるのか?

情報BOX:米債市場で逆イールド復活、今さら聞けない定義と意味

逆 イールド カーブ

イールドカーブ(利回り曲線)とは イールドカーブは 各期間の債券利回りをつなげた曲線で、利回り曲線とも呼ばれます。 Yield(イールド):利回り• Curve(カーブ):曲線 具体的には縦軸に債券利回り、横軸に償還までの残存期間をとったものです。 金利は大きく分けて「短期金利」と「長期金利」に分けられます。 一般的には 1年未満を短期金利、 1年以上を長期金利と呼んでいます。 短期金利は中央銀行(FRBや日銀)がコントロールしており、 長期金利は債券市場の市場参加者の思惑や需給により市場原理で変動します。 一般的な経済環境では期間の長い金利ほど高くなるため、イールドカーブは右肩上がりになります。 しかし、景気がピークを打つタイミングや、悪化するタイミングでは右肩下がりなど異なった形状になることもあります。 また、イールドカーブの形状の変化は景気の先行指標と言われることも多いですが、将来の景気動向だけでなく、インフレ率の変化、債券の起債状況なども織り込んでいると考えられます。 次にイールドカーブの種類について解説します。 イールドカーブは3種類 イールドカーブは3種類あります。 順イールドカーブ• フラット・イールドカーブ• 逆イールドカーブ それぞれ解説していきます。 今後、金利が上昇するという見方が多く、政策金利に影響される短期金利よりも先にマーケット金利である長期金利が上昇することで順イールドの形状となります。 そして、長短金利の差が大きくなって イールドカーブの傾きが急になることをスティープ化(スティープニング)といいます。 逆に 傾きが緩やかになることをフラット化(フラットニング)といいます。 一般的な銀行は短期金利で調達し(預金等)、長期金利で貸出しや債券運用を行うウェイトが大きいことからスティープ化しイールドカーブが立つ(傾きが急になる)と利益が増加すると言われています。 順イールドから逆イールドに移行する際の中間点と言えます。 今後金利が低下するという見方が多く、長期金利が先に低下することで発生します。 下記にも事例を掲載していますが、通常は 景気後退局面に入る場合に発生するケースが多いようです。 (米国の2000年・2007年、日本の1989年など) また、逆イールドは長期間継続することはありません。 これまでのケースでは逆イールドが発生しても1年前後で解消しています。 まず、下記の2000年3月と2007年3月の米国のイールドカーブをご覧ください。 米国の逆イールド(2000年・2007年) 2000年3月31日や2007年3月31日の米国債イールドカーブを見ると、逆イールドとなっています。 2000年3月31日はITバブルが崩壊する直前、2007年3月31日はリーマンショック前で共に景気がピークに差し掛かっている時です。 短期金利は中央銀行(FRB)がコントロールしており、長期金利は市場原理で上下しています。 長期金利が短期金利とほぼ同じか長期金利の方が低くなっているということは、債券市場は将来の景気減速を予測しているということです。 必ず当たるとは言い切れませんが、 2000年以降の2つの大きなマーケットの下落は債券市場の見通しが正しかったことを示しています。 両方ともその後、FRBが大幅に短期金利(FFレート)を下げたことが分ります。 FRBは2001年1月~2003年6月までにFF金利を6. 5%から1%に引き下げ、2007年9月~2008年12月までに5. 25%から0. 25%に引き下げています。 日本の逆イールド(1989年) ちなみに日本でも日経平均が史上最高値を付けた1989年12月29日のイールドカーブが逆イールドになっています。 (平成バブル) その後の日本の金利や景気がどうなったかは説明するまでもないでしょう。 日本の景気悪化、日本株の歴史的な下落についても債券市場は見通していたことになります。 逆イールドは日本の平成バブル崩壊、米国のITバブル崩壊・リーマンショックと直近の大幅な景気後退を予言していたことになりますので、十分注意しておく必要があります。 2019年の米国債逆イールド発生について ちなみに2019年にも米国債のイールドカーブで逆イールドが発生しました。 最初は2018年12月に5年債と2年債の利回りが逆転、その後、2019年3月に10年債と3ヶ月債の利回りが逆転しました。 ただし、逆イールドの正確な定義は10年債と2年債の利回りが逆転した場合とされ、この時は逆イールドとは認められないという意見が多くありました。 しかし、その後の2019年8月14日に10年債と2年債の利回りが逆転し、完全に逆イールド発生となりました。 これまでのパターンでは逆イールド発生から1年~2年後に景気後退となっていることが多いので、今後の景気や株価の動向には注意が必要です。 イールドカーブコントロールとは イールドカーブコントロールは黒田日銀の金融政策の1つで、2016年9月から採用された手法です。 正式には「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」と言います。 通称が「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール)」です。 既に行われていた異次元緩和の影響により、一部マイナスに設定された短期金利とともに、長期金利も大幅に低下し、短期金利と長期金利がほぼ同レベルでフラット化した状態となっていました。 長期金利が極端に低水準のなかでのイールドカーブのフラット化は銀行や生保をはじめとする金融機関や機関投資家の業績にマイナスの影響を与えます。 これを是正するために1年以下の短期金利と10年の長期金利という 2つの金利をそれぞれ別に操作して、イールドカーブを立たせる(スティープニングさせる) 目的でイールドカーブコントロールを導入しました。 短期金利については、これまで同様、金融機関が保有する日銀当座預金の一部にマイナス0. 債券のロールダウン効果(ローリング効果)とは 次に、債券のロールダウン効果(ローリング効果)について説明します。 順イールドの場合、債券の残存期間が短くなるとともに利回りは低下します。 利回り曲線が変化しないとの前提に立てば、長期債を購入たあと、1年、2年と経過すれば利回りが低下することになります。 利回りが低下するということは債券価格が上昇するということになります。 このように時間の経過とともに債券価格の上昇が期待できることをロールダウン効果と言います。 ロールダウン効果は、順イールドで特に傾きが急(スティープ化)になっている場合に効果が大きくなります。 ロールダウン効果の例• 残存5年、クーポン10%で最終利回りがイールドカーブと同様に5%になればいいので 債券価格は120になります。 よってイールドカーブがそれほど変化しないだろうといった見通しであれば、長期の債券を購入した方が、ロールダウン効果の分だけ特になるということになります。 もちろん金利が低下する見通しの時も長期債を購入した方が良くなります 関連ページ 債券のスプレッドとデュレーションについてはこちらを参照!•

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逆イールドとは|金融経済用語集

逆 イールド カーブ

イールドカーブの作成 イールドカーブは、短期から長期までの金利(イールド)の期間構造を一本の曲線(カーブ)で表したグラフであり、通常、に関して作成されることが多いです(どのようなタイプの債券についても作成可能)。 また、満期(期間)の違いのみによって生じる債券の利回り差異を表すものであるため、対象となる債券については、同じで同じ信用度である必要があります。 一般に金利の世界では、短期は1年以内、中期は5年前後、長期は10年、超長期は20-50年を指して言うことが多く、また最も頻繁に使用されるイールドカーブは、短期から長期まで、広いレンジ(期間)をカバーできる「国債のイールドカーブ」です。 なお、を発行している全ての国にがあるので、各々の国のイールドカーブを作成することができます。 イールドカーブの形状 イールドカーブは、基本的なコンセプトとして、経済の先行き(拡大・後退)を把握することにあり、よく見られる形状として、以下の3種類があります。 | 通常、長期金利が短期金利を上回ることが多く、そのカーブ(曲線)が右肩上がりとなる状態をいう。 ・の利回りがの利回りよりも高くなる ・経済が成長する景気拡大時に見られるのが一般的である ・投資家は、将来のインフレや金利上昇のリスクの見返りとして、長期債には高い利回りを要求する | ごく稀に、短期金利が長期金利を上回り、そのカーブ(曲線)が右肩下がりとなる状態をいう。 ・短期債の利回りが長期債の利回りよりも高くなる ・投資家が近い将来の見通しを大きく懸念している ・景気後退が近いことを示唆するシグナルとされる ・金利とインフレ率がどちらも下降している時に見られるのが一般的である |フラット 長期金利と短期金利の差が縮まり、そのカーブ(曲線)がフラット(傾斜が緩やか)となる状態をいう。 ・短期債と長期債の利回りが同じレベルとなる ・景気が拡大から後退へ、あるいは景気が後退から拡大へ向かう移行時期にあることを示唆する ・典型的な例として、急激な経済成長を抑えるため、中央銀行が金利を引き上げる時が挙げられ、この場合、に応じてが上昇し、インフレ期待が収まっていくため、は低下する イールドカーブのフラット化とスティープ化 イールドカーブは、曲線の傾きの緩急によって、「フラット化」と「スティープ化」の二つがあります。 |イールドカーブのフラット化 フラット化は、「フラットニング(Flattening)」とも呼ばれ、短期金利と長期金利の金利差が小さくなり、イールドカーブの傾きが緩やかになることをいう。 これは、景気が転換期を迎え、金利水準が今後どう変化するかが不透明な場合に起こりうる。 |ベアフラットニング| 短期金利が長期金利よりも上昇し、イールドカーブの傾きが緩やかになること。 |ブルフラットニング| 長期金利が短期金利よりも下落し、イールドカーブの傾きが緩やかになること。 |イールドカーブのスティープ化 スティープ化は、「スティープニング(Steepening)」とも呼ばれ、短期金利と長期金利の金利差が大きくなり、イールドカーブの傾きが急になることをいう。 これは、将来と直近を比較して、今はまだ景気が良いと言えないけれども、徐々に将来の見通しが明るくなっていくような状況の場合に起こりうる。 |ベアスティープニング| 長期金利が短期金利よりも上昇し、イールドカーブが急になること。 |ブルスティープニング| 短期金利が長期金利よりも下落し、イールドカーブが急になること。 イールドカーブの形成要因 イールドカーブは、その時々の金融情勢や経済情勢などを反映して様々な形状になりますが、現在、その形成要因として代表的な考え方に「純粋期待仮説」や「流動性プレミアム仮説」、「市場分断仮説」などがあり、これらは総称して「金利の期待構造理論」と呼ばれています。 |純粋期待仮説 長期金利は、将来の短期金利の期待値によって決定するという考え方。 具体的には、市場参加者が、短期金利が将来的に上昇すると予想すれば、長期金利は、短期金利の上昇を見込んだ結果として、短期金利よりも高くなる。 逆に、将来的に短期金利が低下すると予想すれば、長期金利は、短期金利の下落を見込んだ結果として、短期金利より低くなる。 |流動性プレミアム仮説 長期金利は、基本的には、短期金利よりも高くなるという考え方。 具体的には、残存期間が長くなるほど市場での流動性が低下し、リスクを被る可能性も高くなるため、その分、が付いて、短期金利よりも高くなる。 |市場分断仮説 債券市場は、残存期間ごとに分断されており、各残存期間の金利に対する需要によって決定されるという考え方。 具体的には、市場には様々な投資家がおり、各々の投資家は、運用目的や運用戦略などによって債券の残存期間を選択し、独自の市場を形成している。 イールドカーブの活用 イールドカーブは、経済分析や資産運用などの実務面では、以下のように活用されています。 通常、国債のイールドカーブは、がほぼないため、何らかのリスクを持つ、他の債券のとなる。 現在、米国債のイールドカーブは、世界経済のトレンドを反映する役割を果たしているため、世界中の投資家が常に注目し、また投資判断の先導役としても活用される。

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逆イールドカーブの意味は今回は異なる【コラム】

逆 イールド カーブ

3月22日、米債券市場で、3カ月物財務省短期証券(Tビル)と10年債の利回りが2007年以来約12年ぶりに逆転した。 それは何を意味するのか。 写真は米ドル紙幣。 大半は、満期までの一定期間、固定利率で利金が支払われる。 償還期間は1カ月から30年間まで多岐にわたる。 米国債は政府が元利金の保証をしており高い信用力があるため、世界で最も安全な債券だと考えられている。 金利と同義で使われることもある。 利回りは、表面利率と債券価格との関係によって決まる。 価格が上昇すれば、利回りは低下する。 通常であれば、曲線は右上がりのアーチを描く。 債券投資家は長期国債を保有するリスクを負うことの補償を期待するからだ。 したがって、30年物の利回りは通常、1カ月物や3年物のそれよりも高くなる。 長期金利と短期金利との差が拡大し、イールドカーブの傾斜がきつくなることを「スティープ化」すると言う。 30年物利回りは2年物のそれよりもかなり高くなる。 また、債券市場用語の「スプレッド」とは金利差のこと。 その差が縮小して、イールドカーブの傾斜は平たんになることを「フラット化」すると言う。 その場合、例えば10年物の利回りは3年物のそれと比べて大差なくなることがある。 これを「逆イールド」と呼ぶ。 22日、3カ月物と10年物の利回りが2007年以来約12年ぶりに逆転した。 イールドカーブはしばらくの間、全体的にフラット化していた。 昨年12月にはイールドカーブの短期ゾーンから中期ゾーンにかけて約10年ぶりに逆転現象が起きていた。 過去50年において、米国ではリセッションが起きる前には逆イールドが見られた。 逆イールドが起きてリセッション入りしなかったのはたった1度だけだ。 短期金利が長期金利を上回ると、短期の借り入れコストが長期のそれよりも高くなることを意味する。 そのような状況においては、企業は日々の運転資金の調達コストがより高くなり、経営者は投資を抑制あるいは凍結しがちだ。 一般消費者の借り入れコストも上昇し、米経済の3分の2以上を占める個人消費も減速する。 経済は次第に縮小して、失業率も上昇する。 また、逆イールドはリセッション入りする前に解消することが多い。 逆イールドは、リセッションの長さやその程度を予測することはできない。 一方、長期債は、投資家のインフレ期待により影響される。 債券投資家にとってインフレはタブーである。 これまで3年間続いてきたFRBの利上げにより、短期金利は上昇している。 また、借り入れコストの上昇が経済を後退させることから、現在のように今後インフレが抑制されるとみられている場合、投資家は比較的緩やかな長期金利を受け入れやすい。 22日の3カ月物と10年物の利回り逆転は、やや異なる状況下で発生した。 長期金利が短期金利よりも大きく下げたのは、予想を下回る欧州経済指標を受け、投資家がより安全な米長期債を買いに走ったためだ。 3カ月物利回りも、2日前にFRBが年内の利上げはないと示唆したことでやや低下していた。 FRBはまた、9月には保有国債の縮小を終了すると発表している。 (翻訳:伊藤典子 編集:久保信博).

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