玉置全人 死んでください。 スピリチュアルペインのアセスメント・ケア・治療法

ドクトル玉置のコーナー

玉置全人 死んでください

スピリチュアルペインのケア・治療法 スピリチュアルペインとは「 自分の人生は何だったのか」と に苦しむことで、終末期のガン患者などによく見られます。 医学の進歩により、命を延ばすことや、 緩和ケアによる「 肉体の痛み」を軽くすることはできるようになってきましたが、 依然として、医学ではまったくどうすることもできないのが スピリチュアルペインと呼ばれる「 心の痛み」です。 どうすれば治療できるのでしょうか。 日本人の死因のトップはガン(癌) 日本人の2人に1人がガンになり、3人に1人がガンで死んで行く といわれる日本人の死因のトップが癌です。 ガンは初期に発見できれば、 最近は治すことができるようになってきましたが、 発見が遅れると、やはり困難です。 もう治る見込みがなくなると、 残りの人生を苦しまずに過ごせるように、 ホスピスに入ります。 私たちは普段、自分が死ぬということを忘れていますが、 死は、まぎれもなく、すべての人の確実な未来です。 しかし、ホスピスに入ると、ガンが治ることはありません。 いよいよ死が間近に意識されてきます。 別に、「 痛みさえなければ、死なんて怖くないよ」というのは、 まだ死に直面していない人の言うことです。 実際に死を間近にした人が体験する苦痛は、 肉体の痛みに加えて、 今までほとんどの人が気づいていなかった 疑問が起きてきます。 それがスピリチュアルペインです。 スピリチュアルペインの症状 人生の最後、末期ガンによって自分で動くこともままならず、 ホスピスのベッドの上に横たわり、一人天井を見つめていると、 「 なぜ自分だけ、こんな病気にかからなければならなかったのか……」 「皆に迷惑をかけるばかりで、死んでしまったほうがましではないか」 「 なぜこんなに苦しまなければならないのか……」 「今まで自分は一体何をして生きてきたのだろう?」 「 私は何のために生まれてきたのだろうか」 「私が生まれてきたことに意味はあったのだろうか?」 「 ……誰も助けてくれない」 とで悲しい気持ちになります。 そして、今までできたことも何もできなくなってしまい、 「 ただ生きているだけで、もう何もすることがない、何のために生きているのだろう」 「 自分の人生は何だったのだろう」 という思いが起きてきます。 まもなく死んで行きますので、 「 のだろう」 いよいよまったく未知の世界へ旅立たなければならない 真っ暗な心が出てきます。 一般的なアセスメント(評価) 「 アセスメント」とは、評価するということですが、 死に臨む人の苦しみを評価するための 一般的によく言われるアセスメント方法として、 近代ホスピスの創始者と言われるシシリー・ソンダースが考えた、 苦しみを 1.身体的苦痛 2.精神的苦痛 3.社会的苦痛 4.スピリチュアルペイン の4つに分ける方法があります。 1.身体的苦痛 1.身体的苦痛とは、病気の種類によりますが、様々な肉体的な苦しみです。 倦怠感や嘔吐、呼吸困難の他、色々な痛みでやりたいことが思うようにできずに苦しみます。 例えばガンの場合、最初は痛みはありませんが、 進行してがん細胞が肺や胃腸、膀胱など、臓器に浸透してくると 痛みが起きてきます。 食道ガンなら食べ物がつかえて傷み、 胃がんならみぞおちが痛みます。 血管にふれると、焼け付く痛みが現れ、 骨や神経など色々なところに浸透し、 全身が痛みます。 2.精神的苦痛 2.精神的苦痛とは、落ち込んだり、 どうしてこんな目にあわなければならないんだと腹を立てたり、 もう家族と会えなくなると悲しくなってりする心の痛みです。 や恐れ、、などを感じます。 生きる希望をなくして鬱状態になる人もあります。 しかしこれはまだ、スピリチュアルペインとは違い、生きて行く上での心の痛みです。 3.社会的苦痛 3.社会的苦痛とは、 家庭内の人間関係、経済的な問題など色々ありますが、主にお金の苦しみです。 もう治らない病にかかると、医療費も高額で、お金が減ります。 自分のお金がなくなると、家族に迷惑がかかり、 「 早く死んで欲しい」 と思われているのではないかと苦しんだり、 実際にカゲでそう言っているのが聞こえてきて苦しみます。 4.スピリチュアルペイン 4.スピリチュアルペインとは、人生の最後に 「 自分の人生は何だったのだろう」 と、を問い、自分の人生に意味がなかったと浮き彫りになる苦しみです。 人は普段から生きる意味を求めていますが、死に直面すると、 ますます強く生きる意味を知りたくなります。 これまでの人生を振り返り、小さい頃の記憶から、学校であったこと、就職して社会に出て仕事をしたこと、結婚したこと、仕事のこと、子供を育てたことなどを思い起こして回想します。 人生の終わりに、最初から最後までの人生の全体を考えてみたときに、「 これまでの人生に何の意味があったのだろう」と疑問が起きてきます。 元気なときには意味があると思えていたことが、 死を目前にすると、意味がなかったと知らされ、を求めて苦しみ悩むのです。 精神的な苦痛は、生きて行く上での、人生の一部分についての心の痛みですが、スピリチュアル・ペインは、自分にとっての、自分の人生全体の意味が分からない苦しみです。 トータル・ペイン 死に直面した人は、 これらの4つの組み合わせによって、 トータルに苦しみます。 これを「 トータル・ペイン」といいます。 日本語では「 全人的痛み」といわれます。 これらの身体的苦痛以外の大部分は、 従来の医学ではどうしようもないものばかりです。 一般的なスピリチュアルペインのケア これらの苦しみを緩和するために、 医学やは日夜進歩し、経済発展を目指しています。 しかし、医学や科学、経済にも限界があります。 そんなときに行われる中心的なケアは、 「 傾聴」です。 死に臨む人は、苦しみをよく聞いてもらい、 理解してもらい、共感してもらうことで、 心がスッと楽になります。 ですから、ここに書いてあるようなアセスメントをしてもらうだけでも、 かなり理解してもらうことができ、相当楽になります。 ただし、これは一時的に安心しますが、 問題が解決したわけではないので、 長くは続きません。 やはり、肉体の苦しみ、経済的な苦しみは続き、 心の苦しみもすぐにまたおそってきます。 特に、スピリチュアルペインは、 世間では「 答えのない問い」と言われ、 医学や科学、お金はもちろんお手上げです。 「 自分の人生に意味はなかった」という思いは、 いかに傾聴してもらっても、どうしようもありません。 スピリチュアルペインは、隠すことはできても、 なくすことはできないのです。 では、仏教ではどうするのでしょうか。 スピリチュアルペインの仏教のアセスメント 仏教では、スピリチュアルペインを治療し、 完治することができます。 まずそのためには、正確なアセスメントが必要です。 仏教では、スピリチュアルペインと言われる中でも、 「 私だけがなぜこんなにつらい思いをしなければならないのか」 「 身の回りのことも片付いたし、もう何もすることがない」 「 まだやりたいことがあるのに……」 「 誰も助けてくれない」 というような思いの根本に、 「 が分からない」 と 「 分からない」 という2つの暗い心があると教えられています。 やがて必ず死ぬのに、 分からないから、 も分からないのです。 ちょうど急流を流れて必ず滝壺に落ちる船に乗っていると、 滝壺に落ちるまでに何をやっても、 何の意味もない気持ちになります。 人生も、元気なときには気づかないのですが、 死が近づいて来て、ようやく人生は、 この滝壺に落ちる船のようなものだったと気づくのです。 これをお釈迦さまは、 「 大命まさに終らんとして、悔懼(けく) こもごもいたる」(大無量寿経) と説かれています。 「 大命(だいみょう)まさに終らんとして」とは、 死に直面して、ということです。 「 悔(け)」とはです。 今までの人生は何だったんだろう 人生のすべてが無意味に思えてきて、 「 なぜ元気なときに意味のあることを探して、 それをやらなかったんだろう」とします。 「 懼(く)」とは未来への怖れです。 いよいよまったく道の死へと入って行かなければならない 真っ暗な心が起きてきます。 臨終に、このと怖れが代わる代わる起きてくる これが、すべての人の臨終の心境だと教えられています。 こうしてが分からず、 ひとしくあっという間の人生を終わって行くことになるのです。 仏教の根本治療 仏教では、このような、人生で最も根本的な問題点と、 その原因を明らかにされ、その原因をなくすことによって、 「 人間に生まれてよかった」と人生に大満足できる 本当のを教えられています。 それは仏教の真髄ですが、 小冊子とメール講座にまとめてありますので、 ご関心があればそちらもご覧ください。 メニュー•

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★玉置全人先生について教えてください★ 河合塾掲示板

玉置全人 死んでください

アトピー性皮膚炎が治るということ 47号 2002年7月 脱ステロイド療法と銘打って治療をはじめて12年たちました。 その間に年賀状や、新しい患者さんを紹介してくれたり、などの機会で治ってしまったと考えることが出来た元患者さんに現在の皮膚の状況やアトピーに対する考えをアンケートで聞いてみました。 ほとんどの方は住所が変わっていたり、私の記憶がはっきりしないなどで65名の方しかリストアップできませんでした。 それでもあて先不明で帰ってきたのが10通ありました。 55名中アンケートの回答を寄せてくださった方が33名あります。 1:皮膚の状態 該当するところに丸をつけてください(いくつでも) 皮膚のことを気にする必要は無い 7名 何もつけない(女性の化粧は別) 13名 スキンケアには注意している(非ステロイド軟膏、保湿剤) 15名 しわや色素沈着などアトピーの名残があるところがある 17名 季節の変わり目にステロイドを塗ることもある 7名 時々痒くなる時、所がある 25名 その他(自由に記載してください) 痒みが出るのは体の弱るバロメーター 2:今注意していることは何でしょう(いくつでも) 特別注意している事は無い 9名 食べ過ぎないようにしている 5名 疲れたら早く寝るようにしている 12名 気分転換を大事にしている 16名 その他(自由に記載してください) 働き過ぎないようにする・規則正しい生活・和食中心の食事・適度な運動 アトピーのことは忘れるようにしている 3:何故良くなったとお考えですか(いくつでも) ステロイドを止めたから 18名 生活リズムをかえたから 8名 精神的なものが大きかった 19名 効果の有る民間療法に出会う 2名 その他(自由に記載してください) 自己を見つめなおす機会3名・食生活、生活パターンの変革・何事も深刻に考えない・完治するという意思を持つ4名・家族の理解、協力3名・水と空気の良いところに移った・プラス思考でくよくよしない 4:あなたにとってアトピー性皮膚炎は何でしたか(いくつでも) 嫌なもの考えたくも無い 2名 人生勉強になった 19名 いろんな人と知り合えて良かった 12名 二度と戻りたくない 14名 あのリバウンドが耐えられたから何でも出来る 12名 ステロイド軟膏の副作用と考えている 8名 その他 アトピーである自分を受け入れる2名・まだまだ波がある・人生で起こるいろんな経験のひとつ・ストレスが溜まる警告3名・上手に付き合っていく病気・健康に暮らしていくための通過点・本当の自分を探すたびのようなもの・[行雲・流水]なるようになる・生活、自分・家族の体のことを考えるようになった・生活習慣病、精神的な影響・自分の性格を見直すいい機会であった2名・アトピーがあったから今の自分がある・自分の人生にとってプラス・自己改革であった まだまだ波のある方もいるようでアンケートをお送りした方でアンケートに回答されないで数年振りに悪くなっているのですと来院された方が2名いらっしゃいます。 年賀状などを頂きながらアンケートには回答されなかった方もいます。 考えるのも嫌と思った方もいるのではと思います。 アトピー性皮膚炎をステロイド軟膏の副作用と回答されてステロイドを塗ることもあると答えた方もいます。 ステロイドを絶対悪とは決め付けていないようです。 自由記載欄にはいろいろ書いていただきました。 ステロイドを使っていたときより綺麗、同世代の人と遜色が無いほど綺麗になったという方もいます。 またどこまできれいになるか、きれいになった人に会いたいなら、電話してくれたら力になりますと電話番号を添えてくれた人もいます。 治り方もひとそれぞれですが治ってしまう人がいるということに自信を持ちましょう。 アトピーはステロイドを塗ってコントロールするしかない病気ではありません。 アトピー性皮膚炎治療ガイドラインについて 50号 2003年1月 最近、当院の内科部長とアトピー性皮膚炎の治療について話しました。 アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインは厚生労働省版と日本皮膚科学会版があります。 彼は両方のガイドラインともステロイド軟膏を使って自然寛解 自然に良くなること を待つというのが基本で、どうして自然寛解に持ち込むか、その方法論は書かれていないと指摘しました。 確かに皮膚科学会版では『アトピー性皮膚炎の炎症を速やかにかつ確実に鎮静させ、患者の苦痛を取り除ける薬剤で広く使用でき、その有効性と安全性が十分に評価されているものは現在のところステロイド外用剤の他にはなく、如何にそれを選択し、使用するかが治療の基本となる』とステロイドの有用性だけを強調しています。 患者の苦痛を取り除いた後、塗らなくても良くなるようにどうすべきか、は記載されていません。 厚生労働省版では悪化因子を見つけることが、強調されていますし、皮膚科学会版では精神面の関与や生活指導が書かれています。 生活指導としては1)入浴、シャワーにより皮膚を清潔に保つ。 2)室内を清潔に保ち、適温・適湿の環境を作る。 3)規則正しい生活を送り、暴飲・暴食は避ける。 4)刺激の少ない衣服を着用する。 など細かい指導がなされることになっています。 このように単にステロイドをどう使うかだけではありませんが、どう自然寛解に持ち込むかという点では彼の言うように弱い様に思いました。 大多数のアトピー性皮膚炎では悪化因子を見つけ、生活指導を行なっている間に良くなってしまう例が多いと考えられます。 しかし、こうしたとおり一遍の治療では良くならない人がいます。 ステロイドを塗って綺麗になれば悪化因子やスキンケアのことを忘れてしまい、無理を重ねてしまう人がいます。 そしてステロイドを塗っても効かなくなる人がいます。 こういう人たちを自然寛解に持ち込むにどうすべきかというガイドラインではないということです。 私の治療方針はご存知のようにガイドラインに無い自然寛解に持ち込むためにどうすべきかを語る、または一緒に考えるという立場をとっています。 まだまだこうすれば確実に良くなるという標準治療はありません。 患者さん一人一人置かれている状況は異なります。 しかし、基本は「早寝早起き」を目指し、「腹八分目に医者要らず」を実行する。 言いたい事が言えて、バランス良い考えができるようになる。 夢と希望を持ち、自分の生き方に自信をつけていく。 「生き方上手」なんて大嫌い、泥臭くても良いではないでしょうか。 自分の気持ちに正直に自分のための人生を生きることがアトピーが消えていくことにつながっていくと思っています。 内科部長はアトピー性皮膚炎は生活習慣病、特に食生活が大事であると指摘していました。 学会出張などで食生活が乱れると少し痒みが出るが、有機農法・無農薬の野菜をしっかり食べていると良くなってくると言っていました。 医療問題とアトピー性皮膚炎 51号 2003年3月 今回は医療問題からアトピー性皮膚炎を考えてみたい。 タイトルでは大きく構えたように見えますが、そうではなく、健康をどう考え、病気をどのように考えるかそれが現在の成人アトピーの増加にどう関係するかということです。 波平恵美子氏は「医療人類学入門」(朝日選書 1994年発行)で新潟県の豪雪地域での病気治療をめぐる考え方の推移を論じています。 簡単に紹介します。 そしてそれは病因を特定するためのものではなく、治療選択のためのものであった。 すなわち医師の治療が病気回復にどれほど役立つかどうかで判断したといえる。 どんな病気でも村の診療所や遠くの県立病院を受診した。 どの病院を選ぶかが治療をめぐる中心課題になっていた。 治療効果や費やされる時間、疾病や症状がもたらす生活上の困難の度合いで決められるようになった。 このように指摘されています。 確かに良く分析されているように思います。 最近では癌を告知された方が、抗がん剤を拒否して、免疫療法を中心に治療選択される方が出てきています。 情報公開が進み、治療選択の道が開かれてきているのは間違いありません。 お任せ治療は減ってきています。 近藤 誠氏は「成人病の真実」(文藝春秋社 2002年)のなかで「検査で異常があっても、自覚症状が無いなら病院にいかない方が良い」といっています。 皮膚がかさかさするくらいでも皮膚科に行くと、ステロイド軟膏が処方されることもあります。 ああ良く効くと思って使っているとそのうち効き目が悪くなって量を増やしたり、ランクを上げたりするようになることもあります。 「薬だけ下さい」と病院に行くこと=薬を貰いに行くことになっている方もみられます。 杉花粉や卵に対するアレルギー検査が陽性でも症状の出ない人はいくらでもいます。 出たとしても、花粉症や、蕁麻疹ですから、アトピーの原因になっているわけではありません。 しかし、いろいろ検査されて、外に出られなくなったり、食べるものがなくなったりの悲劇が付きまといます。 そこまでいかなくても、育児不安はとても大きくなります。 皮膚の健康にはスキンケアといわれます。 どういう石鹸で洗うか、どういうものをどれだけ塗るか皮膚科医はきちんと指導すべきといわれます。 大事な点でおろそかには出来ませんが「お肌は夜造られる」「寝る子は育つ」といわれるように、夜充分な睡眠をとることが大事です。 何を塗るかという事よりも大事かもしれません。 ウーロン茶やシジューム茶が良いとか、甘いものが悪いとかいわれます。 それだけ食べて、それだけ飲んでアトピーを治す食材などありません。 インターネットなどで情報を集めすぎて消化不良を起こしている方、片寄った情報特に自分にとっては悪い情報に振り回されて不安に陥ってしまうか方が多いようです。 恐いもの見たさに集めているのではないかと思えるような人もいます。 情報を吟味して役立てられないなら集めないほうがましです。 「たましい」と「こころ」 52号 2003年5月 淀川キリスト教病院の医療理念は「淀川キリスト教病院の全人医療とは、からだとこころと魂が一体である人間(全人)に、キリストの愛をもって仕える医療です」と示されています。 私はクリスチャンではありませんが、この医療理念に賛同してというよりは、問題を感じないから一緒にやりましょうといって、病院に赴任しました。 しかし、こころと魂の違いがはっきりいって良くわかりませんでした。 辻本前院長は事有る毎にこころの中のコアになる部分というふうにおっしゃられていました。 気持ちでもないし、大和魂として使われる魂でもないし、「からだ」と「こころ」で何も問題は無かろうと考えていました。 「心の深みへ」河合隼雄・柳田邦男 講談社 のなかで「たましい」について触れている部分があります。 柳田・私、このごろ「たましい」という言葉にものすごく魅力を感じているんです。 われわれは戦後の科学主義とか物質的豊かさが進んでくる中で「たましい」というものを忘れていた。 戦前、精神主義がイデオロギー的に日本の国を支配して、そして精神というもののうさんくささにあまりにも警戒心が強くなったために、戦後は科学主義がのさばって、「たましい」とか心というものを怪しげな目で見るようになってしまった。 (中略)息子が脳死体験をしたという私自身の経験と密接に結びついていまして、脳が死んでもここに息子の「たましい」はまだあるという実感があったんです。 河合・「たましい」というのは危険な言葉ですから、私はだいぶ長い間言わずに黙っていたんです。 たとえば、心理学会で「たましい」なんて言うと除名ですよね(笑)。 しかし、だんだんそういうことをいえるようになってきました。 (後略) このように「こころ」と「たましい」を使い分けています。 わたしは「アトピー性皮膚炎とこころ」を自費出版した際はもちろんごく最近まで上にも書きましたように「たましい」と「こころ」を分けて使えなかったし、使う必要も認めませんでした。 ものの見方、考え方、気持ちの持ち方、気持ちの安定感、笑い、性格などで皮膚症状を含めた体の健康状態は変わるし、変えられるものと思っていました。 「たましい」が健康に如何関わってくるかまだまだ未知の部分が多くあります。 前述の本の中で柳田は青森県の岩木山のふもとで「森のイスキア」という癒しの言えを営んでいる佐藤初女さんを次のように紹介しています。 ある女性が心に葛藤を起こし、それが越えられなくて自殺しようとして、しかし、人づてにあそこに行くと治してもらえるかもしれないと聞いて、死ぬ前に最後の試みとして初女さんを訪ねてみようと、「森のイスキア」を訪ねてみた。 初女さんは心から迎えてくれたけれど、おむすびや山菜料理で接待してくれただけで、とくに助言らしい話しはしてくれなかった。 本人は「なーんだ」と失望した気持ちで帰った。 やっぱり死のう、と。 だけど、帰りの列車の中でおなかがすいたので、お土産にもらったおにぎりを食べたところおいしかった。 そのとき何かがはじけたようにドッと涙があふれてきた。 「こんな自分のために、お腹がすいてはと、おにぎりをむすんで、もたせてくれた人がいる」そう気づいたんですね。 その瞬間、閉塞状態にあった自分の心が開放され、一歩前に進めるようになった。 (中略)そのおにぎりは単なるモノではなくて、初女さんの心をこめたもの、心を具象化したものだったわけです。 心を伝えるのに、時として言葉には限界がある。 そういうときには、おにぎりにかかわらず心をこめたなにものが相手の心に届くことがあるんですね。 人間の心というものは深いですね。 ここでは「こころ」という言葉を使っていますが「たましい」でも良いのではないかと思いました。 古来から「腹の底から怒る」とか「腑に落ちる」という使いかたをします。 「心の底から怒る」とは余り言いません。 こういう事を考えると「たましい」は「こころ」では計り知れない奥深いところのような気がします。 河合はこの後に続けて近代医学であれば、(中略)「これはこういう手術で治ります」とか「この薬で治します」といって、その先生のもっている知識とスキルで治せるわけです。 (アトピーのような慢性疾患では私〔玉置〕はそういうふうには思いません。 )でも、私のやっているのは違う。 私のもっている知識とか技術で治るような簡単な人はめったに来られません。 つまり私は治す方法をもっていない。 それでも治るのは、その人が自分で治るんです。 こう書かれています。 如何して治るかまだ科学的に詳しく分析できていない。 上手く理屈で説明つかない。 なにか「たましい」を揺さぶるような、または訴えるような事があるのでしょうか、まだまだきちんとまとまった考えを述べることは出来ませんが、「こころ」をさらに「たましい」まで深めていけたらと思っています。 文藝作品に現れたアトピー 53号 2003年7月 島田荘司著「アトポス」に脱ステロイドのことが書かれているという事を書きました。 私が脱ステロイドを始めた頃の作品ですから出典は何かなと書いたところ温泉宅配をしているアトピーともの会の本ではないかと知らせてくれた方がいます。 著者に確認したわけではありませんが、どうもそのようでした。 アトピーをテーマにした作品が出てきています。 「アトピー・リゾート」 辻井南青紀 講談社 が新聞広告していました。 名前に引かれ購入して読んでみた。 最初のうちはアトピーのことは出てこず、何をテーマにした本か良くわかりませんでした。 何人かの主に女性の行き方を時代をバラバラに分断して並べた内容です。 そのうちアトピーの子供を南の島に作られたリゾート地で好きなことをさせて遊ばせると良くなる人がいたり、あまり変化が無いため母親があせったりという内容です。 著者が如何いう意図でこの本を書いたのは最後までわからずでした。 著者はあとがきで『この物語「アトピー・リゾート」に登場する様々なタイプの母親達は、自分で自分の現実をダイナミックに変えるということが簡単には出来ない日常を生きている。 奇妙な受動性にからめ捕られ、現実との歪んだ距離を正確に測定することが出来ず、自分の危機を伝えることばを持たない時、母親達は断片的でいびつなリアリティのなかにある。 』と書います。 確かに、子供をネグレクトしたり、食べるものだけ与えたり、かわいいと思えない、代理母出産などの母親像が記載されています。 そして、それら多くが自らの子供時代に原因がありそうに書いています。 アトピーの子供の母親が、全てこうであると思っていません。 確かにこういう母親達もいるかもしれません。 私が言っている「子供のアトピーは母親の子育て不安」はこのような情報も含めた、主に育児に対する情報に対する不安や過敏反応がアトピーに影響をしていると思っています。 子供の発育は個々によって異なります。 家庭の医学書どうりに行かないことのほうが多いといってよいくらいです。 最近金子みすずの詩がブームを呼んでいます。 これも会員の方が教えてくれた一冊です。 著者の考えがアレルゲンがダニや金属、カビや化学物質、治療は大量の薬、食事管理、徹底した掃除と洗濯などに片寄っている点も見られるが、精神的なストレスも視野に入れている点良く取材されていると感じました。 「この2ヶ月で以前の自分を取り戻しつつあった。 (中略)久しぶりに日常生活に張りを感じた。 中略 そして私は感じる。 人間の肌の心地よさと、構われていることの幸せを。 」治そうという気力さえうせていたアトピー性皮膚炎の女性が一人の男性の出現でこうまで変わっていく様子が描かれています。 この本はフィクションですが「事実は小説より稀なり」で実際にありえると思います。 リンクフリーです。

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アトピー性皮膚炎が治るということ 47号 2002年7月 脱ステロイド療法と銘打って治療をはじめて12年たちました。 その間に年賀状や、新しい患者さんを紹介してくれたり、などの機会で治ってしまったと考えることが出来た元患者さんに現在の皮膚の状況やアトピーに対する考えをアンケートで聞いてみました。 ほとんどの方は住所が変わっていたり、私の記憶がはっきりしないなどで65名の方しかリストアップできませんでした。 それでもあて先不明で帰ってきたのが10通ありました。 55名中アンケートの回答を寄せてくださった方が33名あります。 1:皮膚の状態 該当するところに丸をつけてください(いくつでも) 皮膚のことを気にする必要は無い 7名 何もつけない(女性の化粧は別) 13名 スキンケアには注意している(非ステロイド軟膏、保湿剤) 15名 しわや色素沈着などアトピーの名残があるところがある 17名 季節の変わり目にステロイドを塗ることもある 7名 時々痒くなる時、所がある 25名 その他(自由に記載してください) 痒みが出るのは体の弱るバロメーター 2:今注意していることは何でしょう(いくつでも) 特別注意している事は無い 9名 食べ過ぎないようにしている 5名 疲れたら早く寝るようにしている 12名 気分転換を大事にしている 16名 その他(自由に記載してください) 働き過ぎないようにする・規則正しい生活・和食中心の食事・適度な運動 アトピーのことは忘れるようにしている 3:何故良くなったとお考えですか(いくつでも) ステロイドを止めたから 18名 生活リズムをかえたから 8名 精神的なものが大きかった 19名 効果の有る民間療法に出会う 2名 その他(自由に記載してください) 自己を見つめなおす機会3名・食生活、生活パターンの変革・何事も深刻に考えない・完治するという意思を持つ4名・家族の理解、協力3名・水と空気の良いところに移った・プラス思考でくよくよしない 4:あなたにとってアトピー性皮膚炎は何でしたか(いくつでも) 嫌なもの考えたくも無い 2名 人生勉強になった 19名 いろんな人と知り合えて良かった 12名 二度と戻りたくない 14名 あのリバウンドが耐えられたから何でも出来る 12名 ステロイド軟膏の副作用と考えている 8名 その他 アトピーである自分を受け入れる2名・まだまだ波がある・人生で起こるいろんな経験のひとつ・ストレスが溜まる警告3名・上手に付き合っていく病気・健康に暮らしていくための通過点・本当の自分を探すたびのようなもの・[行雲・流水]なるようになる・生活、自分・家族の体のことを考えるようになった・生活習慣病、精神的な影響・自分の性格を見直すいい機会であった2名・アトピーがあったから今の自分がある・自分の人生にとってプラス・自己改革であった まだまだ波のある方もいるようでアンケートをお送りした方でアンケートに回答されないで数年振りに悪くなっているのですと来院された方が2名いらっしゃいます。 年賀状などを頂きながらアンケートには回答されなかった方もいます。 考えるのも嫌と思った方もいるのではと思います。 アトピー性皮膚炎をステロイド軟膏の副作用と回答されてステロイドを塗ることもあると答えた方もいます。 ステロイドを絶対悪とは決め付けていないようです。 自由記載欄にはいろいろ書いていただきました。 ステロイドを使っていたときより綺麗、同世代の人と遜色が無いほど綺麗になったという方もいます。 またどこまできれいになるか、きれいになった人に会いたいなら、電話してくれたら力になりますと電話番号を添えてくれた人もいます。 治り方もひとそれぞれですが治ってしまう人がいるということに自信を持ちましょう。 アトピーはステロイドを塗ってコントロールするしかない病気ではありません。 アトピー性皮膚炎治療ガイドラインについて 50号 2003年1月 最近、当院の内科部長とアトピー性皮膚炎の治療について話しました。 アトピー性皮膚炎の治療ガイドラインは厚生労働省版と日本皮膚科学会版があります。 彼は両方のガイドラインともステロイド軟膏を使って自然寛解 自然に良くなること を待つというのが基本で、どうして自然寛解に持ち込むか、その方法論は書かれていないと指摘しました。 確かに皮膚科学会版では『アトピー性皮膚炎の炎症を速やかにかつ確実に鎮静させ、患者の苦痛を取り除ける薬剤で広く使用でき、その有効性と安全性が十分に評価されているものは現在のところステロイド外用剤の他にはなく、如何にそれを選択し、使用するかが治療の基本となる』とステロイドの有用性だけを強調しています。 患者の苦痛を取り除いた後、塗らなくても良くなるようにどうすべきか、は記載されていません。 厚生労働省版では悪化因子を見つけることが、強調されていますし、皮膚科学会版では精神面の関与や生活指導が書かれています。 生活指導としては1)入浴、シャワーにより皮膚を清潔に保つ。 2)室内を清潔に保ち、適温・適湿の環境を作る。 3)規則正しい生活を送り、暴飲・暴食は避ける。 4)刺激の少ない衣服を着用する。 など細かい指導がなされることになっています。 このように単にステロイドをどう使うかだけではありませんが、どう自然寛解に持ち込むかという点では彼の言うように弱い様に思いました。 大多数のアトピー性皮膚炎では悪化因子を見つけ、生活指導を行なっている間に良くなってしまう例が多いと考えられます。 しかし、こうしたとおり一遍の治療では良くならない人がいます。 ステロイドを塗って綺麗になれば悪化因子やスキンケアのことを忘れてしまい、無理を重ねてしまう人がいます。 そしてステロイドを塗っても効かなくなる人がいます。 こういう人たちを自然寛解に持ち込むにどうすべきかというガイドラインではないということです。 私の治療方針はご存知のようにガイドラインに無い自然寛解に持ち込むためにどうすべきかを語る、または一緒に考えるという立場をとっています。 まだまだこうすれば確実に良くなるという標準治療はありません。 患者さん一人一人置かれている状況は異なります。 しかし、基本は「早寝早起き」を目指し、「腹八分目に医者要らず」を実行する。 言いたい事が言えて、バランス良い考えができるようになる。 夢と希望を持ち、自分の生き方に自信をつけていく。 「生き方上手」なんて大嫌い、泥臭くても良いではないでしょうか。 自分の気持ちに正直に自分のための人生を生きることがアトピーが消えていくことにつながっていくと思っています。 内科部長はアトピー性皮膚炎は生活習慣病、特に食生活が大事であると指摘していました。 学会出張などで食生活が乱れると少し痒みが出るが、有機農法・無農薬の野菜をしっかり食べていると良くなってくると言っていました。 医療問題とアトピー性皮膚炎 51号 2003年3月 今回は医療問題からアトピー性皮膚炎を考えてみたい。 タイトルでは大きく構えたように見えますが、そうではなく、健康をどう考え、病気をどのように考えるかそれが現在の成人アトピーの増加にどう関係するかということです。 波平恵美子氏は「医療人類学入門」(朝日選書 1994年発行)で新潟県の豪雪地域での病気治療をめぐる考え方の推移を論じています。 簡単に紹介します。 そしてそれは病因を特定するためのものではなく、治療選択のためのものであった。 すなわち医師の治療が病気回復にどれほど役立つかどうかで判断したといえる。 どんな病気でも村の診療所や遠くの県立病院を受診した。 どの病院を選ぶかが治療をめぐる中心課題になっていた。 治療効果や費やされる時間、疾病や症状がもたらす生活上の困難の度合いで決められるようになった。 このように指摘されています。 確かに良く分析されているように思います。 最近では癌を告知された方が、抗がん剤を拒否して、免疫療法を中心に治療選択される方が出てきています。 情報公開が進み、治療選択の道が開かれてきているのは間違いありません。 お任せ治療は減ってきています。 近藤 誠氏は「成人病の真実」(文藝春秋社 2002年)のなかで「検査で異常があっても、自覚症状が無いなら病院にいかない方が良い」といっています。 皮膚がかさかさするくらいでも皮膚科に行くと、ステロイド軟膏が処方されることもあります。 ああ良く効くと思って使っているとそのうち効き目が悪くなって量を増やしたり、ランクを上げたりするようになることもあります。 「薬だけ下さい」と病院に行くこと=薬を貰いに行くことになっている方もみられます。 杉花粉や卵に対するアレルギー検査が陽性でも症状の出ない人はいくらでもいます。 出たとしても、花粉症や、蕁麻疹ですから、アトピーの原因になっているわけではありません。 しかし、いろいろ検査されて、外に出られなくなったり、食べるものがなくなったりの悲劇が付きまといます。 そこまでいかなくても、育児不安はとても大きくなります。 皮膚の健康にはスキンケアといわれます。 どういう石鹸で洗うか、どういうものをどれだけ塗るか皮膚科医はきちんと指導すべきといわれます。 大事な点でおろそかには出来ませんが「お肌は夜造られる」「寝る子は育つ」といわれるように、夜充分な睡眠をとることが大事です。 何を塗るかという事よりも大事かもしれません。 ウーロン茶やシジューム茶が良いとか、甘いものが悪いとかいわれます。 それだけ食べて、それだけ飲んでアトピーを治す食材などありません。 インターネットなどで情報を集めすぎて消化不良を起こしている方、片寄った情報特に自分にとっては悪い情報に振り回されて不安に陥ってしまうか方が多いようです。 恐いもの見たさに集めているのではないかと思えるような人もいます。 情報を吟味して役立てられないなら集めないほうがましです。 「たましい」と「こころ」 52号 2003年5月 淀川キリスト教病院の医療理念は「淀川キリスト教病院の全人医療とは、からだとこころと魂が一体である人間(全人)に、キリストの愛をもって仕える医療です」と示されています。 私はクリスチャンではありませんが、この医療理念に賛同してというよりは、問題を感じないから一緒にやりましょうといって、病院に赴任しました。 しかし、こころと魂の違いがはっきりいって良くわかりませんでした。 辻本前院長は事有る毎にこころの中のコアになる部分というふうにおっしゃられていました。 気持ちでもないし、大和魂として使われる魂でもないし、「からだ」と「こころ」で何も問題は無かろうと考えていました。 「心の深みへ」河合隼雄・柳田邦男 講談社 のなかで「たましい」について触れている部分があります。 柳田・私、このごろ「たましい」という言葉にものすごく魅力を感じているんです。 われわれは戦後の科学主義とか物質的豊かさが進んでくる中で「たましい」というものを忘れていた。 戦前、精神主義がイデオロギー的に日本の国を支配して、そして精神というもののうさんくささにあまりにも警戒心が強くなったために、戦後は科学主義がのさばって、「たましい」とか心というものを怪しげな目で見るようになってしまった。 (中略)息子が脳死体験をしたという私自身の経験と密接に結びついていまして、脳が死んでもここに息子の「たましい」はまだあるという実感があったんです。 河合・「たましい」というのは危険な言葉ですから、私はだいぶ長い間言わずに黙っていたんです。 たとえば、心理学会で「たましい」なんて言うと除名ですよね(笑)。 しかし、だんだんそういうことをいえるようになってきました。 (後略) このように「こころ」と「たましい」を使い分けています。 わたしは「アトピー性皮膚炎とこころ」を自費出版した際はもちろんごく最近まで上にも書きましたように「たましい」と「こころ」を分けて使えなかったし、使う必要も認めませんでした。 ものの見方、考え方、気持ちの持ち方、気持ちの安定感、笑い、性格などで皮膚症状を含めた体の健康状態は変わるし、変えられるものと思っていました。 「たましい」が健康に如何関わってくるかまだまだ未知の部分が多くあります。 前述の本の中で柳田は青森県の岩木山のふもとで「森のイスキア」という癒しの言えを営んでいる佐藤初女さんを次のように紹介しています。 ある女性が心に葛藤を起こし、それが越えられなくて自殺しようとして、しかし、人づてにあそこに行くと治してもらえるかもしれないと聞いて、死ぬ前に最後の試みとして初女さんを訪ねてみようと、「森のイスキア」を訪ねてみた。 初女さんは心から迎えてくれたけれど、おむすびや山菜料理で接待してくれただけで、とくに助言らしい話しはしてくれなかった。 本人は「なーんだ」と失望した気持ちで帰った。 やっぱり死のう、と。 だけど、帰りの列車の中でおなかがすいたので、お土産にもらったおにぎりを食べたところおいしかった。 そのとき何かがはじけたようにドッと涙があふれてきた。 「こんな自分のために、お腹がすいてはと、おにぎりをむすんで、もたせてくれた人がいる」そう気づいたんですね。 その瞬間、閉塞状態にあった自分の心が開放され、一歩前に進めるようになった。 (中略)そのおにぎりは単なるモノではなくて、初女さんの心をこめたもの、心を具象化したものだったわけです。 心を伝えるのに、時として言葉には限界がある。 そういうときには、おにぎりにかかわらず心をこめたなにものが相手の心に届くことがあるんですね。 人間の心というものは深いですね。 ここでは「こころ」という言葉を使っていますが「たましい」でも良いのではないかと思いました。 古来から「腹の底から怒る」とか「腑に落ちる」という使いかたをします。 「心の底から怒る」とは余り言いません。 こういう事を考えると「たましい」は「こころ」では計り知れない奥深いところのような気がします。 河合はこの後に続けて近代医学であれば、(中略)「これはこういう手術で治ります」とか「この薬で治します」といって、その先生のもっている知識とスキルで治せるわけです。 (アトピーのような慢性疾患では私〔玉置〕はそういうふうには思いません。 )でも、私のやっているのは違う。 私のもっている知識とか技術で治るような簡単な人はめったに来られません。 つまり私は治す方法をもっていない。 それでも治るのは、その人が自分で治るんです。 こう書かれています。 如何して治るかまだ科学的に詳しく分析できていない。 上手く理屈で説明つかない。 なにか「たましい」を揺さぶるような、または訴えるような事があるのでしょうか、まだまだきちんとまとまった考えを述べることは出来ませんが、「こころ」をさらに「たましい」まで深めていけたらと思っています。 文藝作品に現れたアトピー 53号 2003年7月 島田荘司著「アトポス」に脱ステロイドのことが書かれているという事を書きました。 私が脱ステロイドを始めた頃の作品ですから出典は何かなと書いたところ温泉宅配をしているアトピーともの会の本ではないかと知らせてくれた方がいます。 著者に確認したわけではありませんが、どうもそのようでした。 アトピーをテーマにした作品が出てきています。 「アトピー・リゾート」 辻井南青紀 講談社 が新聞広告していました。 名前に引かれ購入して読んでみた。 最初のうちはアトピーのことは出てこず、何をテーマにした本か良くわかりませんでした。 何人かの主に女性の行き方を時代をバラバラに分断して並べた内容です。 そのうちアトピーの子供を南の島に作られたリゾート地で好きなことをさせて遊ばせると良くなる人がいたり、あまり変化が無いため母親があせったりという内容です。 著者が如何いう意図でこの本を書いたのは最後までわからずでした。 著者はあとがきで『この物語「アトピー・リゾート」に登場する様々なタイプの母親達は、自分で自分の現実をダイナミックに変えるということが簡単には出来ない日常を生きている。 奇妙な受動性にからめ捕られ、現実との歪んだ距離を正確に測定することが出来ず、自分の危機を伝えることばを持たない時、母親達は断片的でいびつなリアリティのなかにある。 』と書います。 確かに、子供をネグレクトしたり、食べるものだけ与えたり、かわいいと思えない、代理母出産などの母親像が記載されています。 そして、それら多くが自らの子供時代に原因がありそうに書いています。 アトピーの子供の母親が、全てこうであると思っていません。 確かにこういう母親達もいるかもしれません。 私が言っている「子供のアトピーは母親の子育て不安」はこのような情報も含めた、主に育児に対する情報に対する不安や過敏反応がアトピーに影響をしていると思っています。 子供の発育は個々によって異なります。 家庭の医学書どうりに行かないことのほうが多いといってよいくらいです。 最近金子みすずの詩がブームを呼んでいます。 これも会員の方が教えてくれた一冊です。 著者の考えがアレルゲンがダニや金属、カビや化学物質、治療は大量の薬、食事管理、徹底した掃除と洗濯などに片寄っている点も見られるが、精神的なストレスも視野に入れている点良く取材されていると感じました。 「この2ヶ月で以前の自分を取り戻しつつあった。 (中略)久しぶりに日常生活に張りを感じた。 中略 そして私は感じる。 人間の肌の心地よさと、構われていることの幸せを。 」治そうという気力さえうせていたアトピー性皮膚炎の女性が一人の男性の出現でこうまで変わっていく様子が描かれています。 この本はフィクションですが「事実は小説より稀なり」で実際にありえると思います。 リンクフリーです。

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