体温 生理。 1日の体温リズムも変わってくる|高齢者の体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所

1日の体温リズムも変わってくる|高齢者の体温|体温と生活リズム|テルモ体温研究所

体温 生理

解剖生理が苦手なナースのための解説書『解剖生理をおもしろく学ぶ』より 今回は、 神経伝達物質・ホルモンについてのお話の5回目です。 [前回の内容] 解剖生理学の面白さを知るため、神経系と内分泌系ホルモンによると、体液を調節する仕組みについて知りました。 今回は、体温を一定に保つための仕組みの世界を探検することに……。 了徳寺大学医学教育センター教授 体温を調節する 私たちが物を食べるのは、新しい細胞をつくるためであると同時に、体温を維持するためでもあります。 ガソリンなどの燃料を燃やすと熱くなって燃え出しますが、体内で起きているのも、これとほぼ同じ現象です。 で生じる熱量は、とが1gあたり4kcalで、脂肪は1gあたり9kcal。 代謝で得た熱の60%は、体温維持のために使われています。 実はそうなの 体温を維持するのは、酵素のため 身体のあちこちでは、食物を栄養素に分解したり、エネルギーに変えたりするなど、生命活動に必要な化学反応(代謝)が絶えず行われています。 これらの化学反応は、体内にある数千種類もの酵素が触媒 しょくばい となって進みます。 体温を維持しなければならないのは、この酵素の働きをよくするためです。 まずはを見てください。 図1酵素触媒反応速度に及ぼす温度の効果 これによると、酵素が触媒として反応する速度は、温度が増すにつれ、あるかぎられた範囲まで増大します。 しかし、酵素の反応は温度が高ければ高いほどよいということではありません。 この温度を超えると、反応速度は急に減少します。 酵素は一種のタンパク質ですから、熱を加えると変性しやすくなります。 これは、熱したフライパンに卵を入れると固まってしまう現象と同じです。 これでは、本来の機能を発揮できません。 重要なのは脳内温度 ヒトは、体温を一定に保たないと生きていけない恒温動物です。 しかし、ちょっと考えてみてください。 体温を一定に保つといっても、どこの温度が基準になっているのでしょうか。 は、身体の中で同じ温度をもつ場所を線で結んだものです。 この線を等温線とよび、暑いときと寒いときでは、等温線は全く異なります。 図2等温線 の温度を 皮膚温、と同じ温度を保つところを 核心温度、その中間を 外殻温度としましょう。 つまり、体温調節で最も重要なのは、脳内の温度を一定に保つことなのです。 体温を調節するのは視床下部() エアコンの自動調節機能は最初にまず適温が設定されていて、それより上がったり下がったりすると、自動的に動いて温度を調節してくれるでしょう? 視床下部の調節もこれと同じ。 セットされた温度(セットポイント)に向かって、体内で産生する熱量(産熱量)と体外に放出する熱量(放熱量)の調節をしています 図3生理学的な体温調節 寒冷への適応 身体が体温よりも寒い環境にさらされると、脳の視床下部からは熱を逃がさないようにする指令と、熱を産出するための指令が出されます。 熱を逃がさない反応は毛細血管で起こります。 皮膚の表面や手足の末端はもともと熱を放出しやすいため、寒い環境では毛細血管を収縮させて、熱を運ぶが流れないようにするのです。 鳥であれば、次に毛を逆立てて空気の層をつくります。 こうすると断熱材に似た効果が得られるからです。 ヒトの場合も、寒くなってからだが凍えてくると、皮膚に鳥肌が立ちます(立毛)。 これは進化の名残といえるかも知れません。 末端の放熱を防いでも体温が下がり続ける場合、視床下部は「熱をつくれ」と命令します。 熱を発生させるのはのふるえです。 寒くなるとからだが自然にブルブルとふるえ出すのは、視床下部からの命令が筋肉に伝わるからです。 酷暑への対応 身体が体温よりも暑い環境にさらされると、視床下部からは「熱を放出せよ」という指令が出ます。 先ほどとは反対に、毛細血管を拡張させ末端の血流をよくすることで、熱放出を高めるのです。 それでも体温が下がらない場合、視床下部は「汗を出せ」と命令します。 皮膚の表面で水分が気化して水蒸気になる際、皮膚表面の熱を奪います。 これを気化熱といいますが、この気化熱を放出することによって、体温を下げようというのです。 このとき、皮膚の表面に空気の動きがあれば、熱放散は促進されます。 夏の暑い日に扇子や扇風機を使うと涼しく感じるのは、このためです。 ちなみに、汗をかくことのできる恒温動物は人間だけだそうです。 用語解説不感蒸散 表皮の組織液は、皮膚の表面を介して絶えず蒸発(気化)している。 これは、人間が感じることのない放熱現象で、これを不感蒸散(または)という。 1日の間にも体温リズムはある 私たちは夜になると自然に眠くなり、朝がくると自然に目が覚めます。 この睡眠・覚醒のリズムにも、体温が関係しています。 視床下部の調節機能によりほぼ一定に保たれている体温も、1日という短いスパンでみると微妙に変化しています。 体感することはまずありませんが、1日のリズムをつくってくれています。 ヒトの体温は多くの場合、明け方、つまり目が覚める直前が最も低く、夕方頃にピークとなり、その後は再び低下していきます。 裏を返せば、体温が上昇していくにつれ徐々に身体は目覚め、緩やかに体温が低下していくことによって眠りに落ちていく、ということ。 体温は、生活のリズムを刻む「生物時計」でもあったのです。 皆さんは、看護業務のなかに検温があるのはご存じですね。 検温の時間がやってくると、体温だけではなく、や血圧も測定します。 これは、患者さんの日々の状態を知るうえでとても重要な作業です。 体温は毎日、ほぼ同じ時間帯で測定しないと比較の意味はありません。 先に説明したように、体温は1日の間でも微妙に変化しますから、昨日の朝の体温と今日の夕方の体温を比べても、日内変動なのか、発熱なのか、区別できないということになります。 コラム基礎体温を測ろう 体温調節の仕組みについていろいろとお話してきましたが、読者が女性であれば、自分でをつけるクセをつけておいてもいいかも知れません。 基礎体温とは、もっとも体温の低い早朝6時頃の体温です。 で測定した女性の基礎体温をグラフにすると、月経周期に関連して体温が変動しているのがわかります()。 図5女性の月経周期に伴う基礎体温の変化 ポイントは、を境として低温相と高温相に分けられることです。 排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンには体温を上昇させる作用があるので、体温測定という大変簡便な方法で、卵巣の機能がわかります。 排卵のない場合には、高温相は現れません。 排卵後の高温相の原因は、黄体ホルモンが視床下部の体温調節中枢に作用するためだと考えられています。 コラム体温と代謝の関係を利用した治療法--超低体温療法 体温を下げれば代謝が下がるということに着目した治療法「超低体温療法」が注目されています。 事故による脳挫傷(ざしょう)では、出血した血液の中のが活性酸素という酸化力の強い形に変わり、生き残っている神経を死滅させる、といわれています。 事故による脳の損傷は、そうした活性酸素によることが多いようです。 超低体温療法は、体温を下げることで活性酸素の発生を少なくし、急激な組織のダメージを防ぐ治療法です。 障害部の反応が低下した頃、ゆっくりと体温を上げると、脳の損傷を最小限に抑え、機能をあまり損なわずに回復させることができます。 [次回].

次の

基礎体温からわかること

体温 生理

解剖生理が苦手なナースのための解説書『解剖生理をおもしろく学ぶ』より 今回は、 神経伝達物質・ホルモンについてのお話の5回目です。 [前回の内容] 解剖生理学の面白さを知るため、神経系と内分泌系ホルモンによると、体液を調節する仕組みについて知りました。 今回は、体温を一定に保つための仕組みの世界を探検することに……。 了徳寺大学医学教育センター教授 体温を調節する 私たちが物を食べるのは、新しい細胞をつくるためであると同時に、体温を維持するためでもあります。 ガソリンなどの燃料を燃やすと熱くなって燃え出しますが、体内で起きているのも、これとほぼ同じ現象です。 で生じる熱量は、とが1gあたり4kcalで、脂肪は1gあたり9kcal。 代謝で得た熱の60%は、体温維持のために使われています。 実はそうなの 体温を維持するのは、酵素のため 身体のあちこちでは、食物を栄養素に分解したり、エネルギーに変えたりするなど、生命活動に必要な化学反応(代謝)が絶えず行われています。 これらの化学反応は、体内にある数千種類もの酵素が触媒 しょくばい となって進みます。 体温を維持しなければならないのは、この酵素の働きをよくするためです。 まずはを見てください。 図1酵素触媒反応速度に及ぼす温度の効果 これによると、酵素が触媒として反応する速度は、温度が増すにつれ、あるかぎられた範囲まで増大します。 しかし、酵素の反応は温度が高ければ高いほどよいということではありません。 この温度を超えると、反応速度は急に減少します。 酵素は一種のタンパク質ですから、熱を加えると変性しやすくなります。 これは、熱したフライパンに卵を入れると固まってしまう現象と同じです。 これでは、本来の機能を発揮できません。 重要なのは脳内温度 ヒトは、体温を一定に保たないと生きていけない恒温動物です。 しかし、ちょっと考えてみてください。 体温を一定に保つといっても、どこの温度が基準になっているのでしょうか。 は、身体の中で同じ温度をもつ場所を線で結んだものです。 この線を等温線とよび、暑いときと寒いときでは、等温線は全く異なります。 図2等温線 の温度を 皮膚温、と同じ温度を保つところを 核心温度、その中間を 外殻温度としましょう。 つまり、体温調節で最も重要なのは、脳内の温度を一定に保つことなのです。 体温を調節するのは視床下部() エアコンの自動調節機能は最初にまず適温が設定されていて、それより上がったり下がったりすると、自動的に動いて温度を調節してくれるでしょう? 視床下部の調節もこれと同じ。 セットされた温度(セットポイント)に向かって、体内で産生する熱量(産熱量)と体外に放出する熱量(放熱量)の調節をしています 図3生理学的な体温調節 寒冷への適応 身体が体温よりも寒い環境にさらされると、脳の視床下部からは熱を逃がさないようにする指令と、熱を産出するための指令が出されます。 熱を逃がさない反応は毛細血管で起こります。 皮膚の表面や手足の末端はもともと熱を放出しやすいため、寒い環境では毛細血管を収縮させて、熱を運ぶが流れないようにするのです。 鳥であれば、次に毛を逆立てて空気の層をつくります。 こうすると断熱材に似た効果が得られるからです。 ヒトの場合も、寒くなってからだが凍えてくると、皮膚に鳥肌が立ちます(立毛)。 これは進化の名残といえるかも知れません。 末端の放熱を防いでも体温が下がり続ける場合、視床下部は「熱をつくれ」と命令します。 熱を発生させるのはのふるえです。 寒くなるとからだが自然にブルブルとふるえ出すのは、視床下部からの命令が筋肉に伝わるからです。 酷暑への対応 身体が体温よりも暑い環境にさらされると、視床下部からは「熱を放出せよ」という指令が出ます。 先ほどとは反対に、毛細血管を拡張させ末端の血流をよくすることで、熱放出を高めるのです。 それでも体温が下がらない場合、視床下部は「汗を出せ」と命令します。 皮膚の表面で水分が気化して水蒸気になる際、皮膚表面の熱を奪います。 これを気化熱といいますが、この気化熱を放出することによって、体温を下げようというのです。 このとき、皮膚の表面に空気の動きがあれば、熱放散は促進されます。 夏の暑い日に扇子や扇風機を使うと涼しく感じるのは、このためです。 ちなみに、汗をかくことのできる恒温動物は人間だけだそうです。 用語解説不感蒸散 表皮の組織液は、皮膚の表面を介して絶えず蒸発(気化)している。 これは、人間が感じることのない放熱現象で、これを不感蒸散(または)という。 1日の間にも体温リズムはある 私たちは夜になると自然に眠くなり、朝がくると自然に目が覚めます。 この睡眠・覚醒のリズムにも、体温が関係しています。 視床下部の調節機能によりほぼ一定に保たれている体温も、1日という短いスパンでみると微妙に変化しています。 体感することはまずありませんが、1日のリズムをつくってくれています。 ヒトの体温は多くの場合、明け方、つまり目が覚める直前が最も低く、夕方頃にピークとなり、その後は再び低下していきます。 裏を返せば、体温が上昇していくにつれ徐々に身体は目覚め、緩やかに体温が低下していくことによって眠りに落ちていく、ということ。 体温は、生活のリズムを刻む「生物時計」でもあったのです。 皆さんは、看護業務のなかに検温があるのはご存じですね。 検温の時間がやってくると、体温だけではなく、や血圧も測定します。 これは、患者さんの日々の状態を知るうえでとても重要な作業です。 体温は毎日、ほぼ同じ時間帯で測定しないと比較の意味はありません。 先に説明したように、体温は1日の間でも微妙に変化しますから、昨日の朝の体温と今日の夕方の体温を比べても、日内変動なのか、発熱なのか、区別できないということになります。 コラム基礎体温を測ろう 体温調節の仕組みについていろいろとお話してきましたが、読者が女性であれば、自分でをつけるクセをつけておいてもいいかも知れません。 基礎体温とは、もっとも体温の低い早朝6時頃の体温です。 で測定した女性の基礎体温をグラフにすると、月経周期に関連して体温が変動しているのがわかります()。 図5女性の月経周期に伴う基礎体温の変化 ポイントは、を境として低温相と高温相に分けられることです。 排卵後に卵巣から分泌される黄体ホルモンには体温を上昇させる作用があるので、体温測定という大変簡便な方法で、卵巣の機能がわかります。 排卵のない場合には、高温相は現れません。 排卵後の高温相の原因は、黄体ホルモンが視床下部の体温調節中枢に作用するためだと考えられています。 コラム体温と代謝の関係を利用した治療法--超低体温療法 体温を下げれば代謝が下がるということに着目した治療法「超低体温療法」が注目されています。 事故による脳挫傷(ざしょう)では、出血した血液の中のが活性酸素という酸化力の強い形に変わり、生き残っている神経を死滅させる、といわれています。 事故による脳の損傷は、そうした活性酸素によることが多いようです。 超低体温療法は、体温を下げることで活性酸素の発生を少なくし、急激な組織のダメージを防ぐ治療法です。 障害部の反応が低下した頃、ゆっくりと体温を上げると、脳の損傷を最小限に抑え、機能をあまり損なわずに回復させることができます。 [次回].

次の

基礎体温からわかること

体温 生理

自分の基礎体温を把握する 毎日きちんと基礎体温を測ることにより、妊娠や生理が来るタイミングなどさまざまな変化を見つけることができます。 では、基礎体温は具体的にどのように計測するものなのでしょうか。 基礎体温にはいくつかのルールがあります。 基礎体温を測る時間帯、記録のつけ方、どの部位で計測するかなど、簡単にご紹介しておきましょう。 基礎体温を測る時間は? 基礎体温を測る場合と通常の体温計測では細かなルールが異なります。 基礎体温では細かい数値まで計測するため、身体が安静にしている状態の時に測る必要があります。 タイミングとしては目が覚めたらすぐに計測するのが良いでしょう。 身体を動かしていないので筋肉による余計な熱が発生していませんし、食事をしていないので内臓も働きが最小限になっています。 筋肉や内臓、気持ちが最も安定している時間帯が目覚めたときなので、同じ時間に起床するようにし、起きたらすぐに計測するようにしましょう。 計測する部位は? 基礎体温を測るなら、朝起きたタイミングが最適です。 できるだけ同じ時間に起床することで、安定した数値を記録することができるでしょう。 では、計測するのはどの部位が最適なのでしょうか。 通常、体温を測るときはワキの下で計測しますが、基礎体温は口の中で計測します。 他の部位に比べると、舌の付け根が最も安定しているからです。 口を開けて舌をめくり、真ん中の筋が出ている付け根部分に体温計の先をあて、舌で挟むようにして口を閉じます。 起き上がると筋肉を使ってしまうため、枕元に体温計をスタンバイさせておき、起きたら寝たままの状態で口にくわえるようにしましょう。 記録のつけ方は? 基礎体温を正しく測ったら、次はそれを記録していきます。 計測した体温はすぐにグラフに記入し、その日の気分も記録しておくと良いでしょう。 最初は起床する時間がずれたりすることもありますが、継続して計測していくことが大切です。 習慣になっていけば、基礎体温を測ることも煩わしくなくなっていくので、まずは3ヶ月を目安に記録をつけていくようにしましょう。 体温計の選び方は? 基礎体温を測るなら、体温計の選び方も知っておくべきです。 体温計には実測式と予測式と、2種類あるのをご存知でしょうか。 実測式は実際の体温を、5分ほど時間をかけて計測していきます。 予測式は25秒~1分半ほどの時間である程度の体温を予測し、計測していきます。 また、最初は予測式で計測し、時間をかけると実測式に切り替わるものもあります。 朝忙しい人や気軽に始めたい方は簡単な予測式を利用し、本格的に計測していきたいという方は実測式を選ぶと良いでしょう。 また、高機能な体温計だと自動的に測定した数値を記録し、グラフ化してくれるものもあります。 予算やニーズに合わせて適切な体温計を選ぶようにしましょう。 基礎体温の見方(高温期、低温期) 基礎体温を測りはじめると、体温が高い時期と低い時期に分かれていることがわかってきます。 高温期と低温期は14日前後で切り替わることが多く、28日前後でまたもとのサイクルに戻っていきます。 生理1日目から次の生理が来る前日までを1周期とすることで、生理が来るタイミングや排卵日を予測しやすくなります。 基礎体温が高温期と低温期の2つにわけられるのは、女性ホルモンの働きが影響しているからです。 では、どんな女性ホルモンが体温に変化をもたらしているのでしょうか。 女性ホルモンと体温(高温期、低温期)の関係 基礎体温が高温期と低温期にわけられるのは、それぞれの時期に2種類の女性ホルモンが分泌されているからです。 高温期はプロゲステロンという女性ホルモンが分泌され、排卵を境に生理前まで続きます。 一方、低温期はエストロゲンという女性ホルモンが分泌され、生理を境に排卵前まで続きます。 それぞれの女性ホルモンは作用が全く異なるため、体温にも変化が生じるのです。 生理前は、高温期でプロゲステロンが積極的に分泌されていますが、生理直前に体温がガクンと下がって低温期に切り替わっていきます。 そのため、基礎体温を測って高温期が続き体温が下がったら、まもなく生理が来るサインだと気づくことができるでしょう。 プロゲステロンの作用(高温期) 基礎体温を左右する女性ホルモンですが、具体的にプロゲステロンとエストロゲンにはどのような作用があるのでしょうか。 まず、高温期に分泌されるプロゲステロンですが、排卵を境に分泌され始め、生理前まで続きます。 プロゲステロンは受精卵を着床しやすくするため、子宮内膜の厚みを増やしていきます。 栄養を保持しようとする力が強まるため、水分や栄養を体内に蓄えようとして体重が増加することもあるでしょう。 生理前に食欲が増えてしまうのはプロゲステロンが体内の栄養を奪い、血糖値が下がるためです。 受精卵が着床しなかったり、受精がなかったりした場合は、プロゲステロンの分泌が減っていき、基礎体温も徐々に下がりはじめてきます。 そして子宮内膜の組織がはがれて生理が始まるときに、エストロゲンへと切り替わっていくのです。 エストロゲンの作用(低温期) プロゲステロンは高温期に分泌され、受精した卵子を着床しやすくさせます。 一方、基礎体温で低温期に分泌されるのがエストロゲンですが、これは卵子を育むために分泌されていると言えるでしょう。 エストロゲンは、生理が開始されてから排卵日まで分泌される女性ホルモンです。 卵胞が成長し、子宮内膜に厚みを出していくことで、受精卵が成立しやすい環境を整えていきます。 この時期は新陳代謝も活発で、身体の調子も良いので活動的になる時期となります。 そして、全ての準備が整い排卵されたときにプロゲステロンへと切り替わり、低温期から高温期へと変化していくのです。 高温期と低温期温度差は? 基礎体温を左右するのは、女性ホルモンの働きによるものです。 では、実際に高温期と低温期ではどれくらいの温度差があるものなのでしょうか。 高温期と低温期の差は、0. 非常に細かい数値の差ですから、同じ条件で計測し続けるのが重要になるのです。 ただ、低温期、高温期と分けていてもその中で微妙に変化することもあります。 排卵日や生理直前には大きな変化が見受けられるのでご紹介しておきましょう。 最低体温は排卵日 基礎体温を計測していくと、低温期から急に体温が下がることがあります。 そして、急に体温が下がったと思ったら翌日にはぐんぐん体温が上がっていくことが多いでしょう。 低温期の時にガクンと体温が下がったら、排卵されたサインと思ってよいでしょう。 翌日から体温が上昇するようなら、排卵に向けて準備していたエストロゲンから、受精に向けて準備していくプロゲステロンにホルモンが切り替わっていることがわかります。 排卵されるときの体温は最低体温と呼ばれ、計測してきた基礎体温の中で最も低くなります。 妊娠を望む人は、排卵により基礎体温で下がるタイミングを見逃さないようにしましょう。 生理前の体温変化 基礎体温を計測していくと急に体温が下がる日が出てきますが、実は生理直前にも体温がガクンと下がります。 これは、高温期で分泌されていたプロゲステロンから、エストロゲンに切り替わるからです。 次の排卵に向けて準備が進められるため、受精卵の着床のために準備された子宮内膜ははがれ、生理が始まっていきます。 高温期が続いていたのに急に体温が下がりはじめたら、当日か翌日に生理が始まる可能性が高いと言えるでしょう。 生理前なのに体温が高い場合は? 基本的に、生理直前になると体温は急にガクンと下がります。 しかし、生理予定日を過ぎていてもなかなか体温が下がらないようなら、妊娠している可能性があるでしょう。 妊娠すると、生理が起こらないため高温期が継続されます。 高温期が始まり、16日以上たっても体温が下がらないようなら、妊娠の可能性があるので一度調べてみると良いでしょう。 生理前の高温期が短い場合は? 排卵日~生理前までは、体温が高い状態が続きますが、日数としては14日前後となります。 高温期が始まって11日~15日くらい経つと生理が始まると考えて良いでしょう。 基礎体温のサイクルは、生理開始日から次の生理前日までを1周期とし28日で進むのが通常です。 人によっては、30日や33日で周期が進む場合もありますが、高温期と低温期はほぼ同じ割合で繰り返されます。 しかし、生理前の高温期が短い場合、プロゲステロンの分泌が弱まっている可能性があるでしょう。 高温期の日数が9日以下になる場合は、黄体機能不全が生じている恐れがあります。 いつも高温期が短いという方は、一度病院で診てもらうようにしましょう。 生理前の高温期の体温が低い場合は? 基礎体温を見ることで、排卵がきちんと行われているかどうかも把握することができます。 高温期と低温期を見比べて、その差が0. 排卵を境に低温期から高温期に変化していきますが、体温の差が少ないと体温を上昇させるプロゲステロン分泌が弱まっている恐れがあります。 プロゲステロンを分泌する黄体ホルモンが弱まっていても生理は起こるため、無排卵月経と診断されるかもしれません。 基礎体温が安定しない(ガタガタの基礎体温) 通常、基礎体温は排卵日をはさんで低温期と高温期に分かれますが、基礎体温が毎日上下してガタガタのグラフになってしまう方もいます。 このような場合は、プロラクチンというホルモンが過剰に分泌される高プロラクチン血症の可能性があります。 高プロラクチン血症は投薬や漢方で改善でき、基礎体温も通常のようなグラフに戻るので、あまり心配しないようにしましょう。 また、ストレスに弱い方や自律神経が乱れている方も、基礎体温グラフがガタガタしてしまう傾向にあります。 これは大きなストレスや冷え性などから来る自律神経の乱れが原因なので、投薬の他に自分の生活習慣を見直したりストレス解消に努める必要が出てくるでしょう。 流産と体温の関係は? 生理前は高温期が続きますが、生理直前や当日には体温が下がって低温期に切り替わっていきます。 しかし、生理前になっても体温が下がらず高温期が続く場合、妊娠している可能性が高いと言えるでしょう。 産婦人科を受診し、妊娠していると正式に診断された後も基礎体温を測り続けることで体調の変化を把握することができます。 21日以上高温期が続いていたのに、その後急に低温期に差し掛かることがありますが、その場合流産する危険性があるでしょう。 不正出血があったり、体調不良を感じたりしたらすぐに病院に行くようにしてください。 生理前の火照りやイライラはなぜ? 生理前になると、身体が火照ったりイライラしたりしてしまうことがあります。 いわゆる月経前症候群と呼ばれるもので、生理前になると多くの女性に現れる症状です。 人によっては頭痛がしたり、腹痛を伴ったりする場合もありますが、高温期を作っているプロゲステロンの影響が関係しています。 生理不順などで周期が乱れていると、プロゲステロンの分泌に変化が生じ、月経前症候群がひどくなるので、身体を優しくいたわるようにしてください。 ストレスと体温の関係は? 基礎体温を左右する女性ホルモンは、いつも正常に分泌されるとは限りません。 体調不良やストレスなどの影響を受けると分泌量が乱れることがあります。 特にストレスは女性ホルモンのバランスを崩し、基礎体温のグラフを乱してしまいますので注意が必要です。 なかなか基礎体温が安定しないという方は、ストレスについてもう一度見直してみるようにしましょう。 不摂生な生活は身体にとってのストレスになりますし、精神的なストレスもホルモンのバランスを乱します。 規則正しくストレスを適度に発散することが、女性ホルモンの分泌を安定させてくれるでしょう。 基礎体温は年齢で変化する 基礎体温を計る事は、女性ホルモン量の分泌を知るためと言っても過言ではありません。 ですから、年齢によってホルモン分泌量が変化するにつれて基礎体温も変化していきます。 ホルモン分泌が未熟な10代では無排卵月経や頻発月経が起こりやすいため一定しにくいのですが、基礎体温を計れば卵胞ホルモンと黄体ホルモンのどちらが問題なのかを分かってきます。 よく見る低温期と高温期にはっきり分かれた基礎体温グラフは、女性ホルモン分泌量が安定する20代・30代に出てきます。 しかし、やはり排卵や生理周期に問題があるようだと正常とは違ったグラフになり、一目瞭然です。 婦人科を受診する時に基礎体温グラフを提出するのは、医者が判断しやすいからなのです。 更年期が近い時の体温変化 更年期が近づくと、排卵に関わる卵胞ホルモンと子宮内膜を維持する黄体ホルモンの分泌量が減っていきます。 基礎体温グラフを見ると、まずは高温期が短くなっていき頻発月経の様なグラフに変化します。 更年期対策や生理不順に黄体ホルモンを含んだピルを処方するのは、このような状態を避けるためです。 更年期に入れば黄体ホルモン分泌がほぼ無くなってしまうため低温期のみとなり、この急激なホルモンバランスの崩れによって更年期障害の症状が出始めるのです。 ただ基礎体温を前から計っていれば、この動きが予測されるため余裕のある処置が取れるようになって更年期障害をある程度抑えられます。 急に体調を崩さないためにも40代の方は基礎体温計測を習慣にしましょう。 まとめ 生理前の体温についてさまざまな情報をご紹介しました。 基本的に生理前は高温期が続き、生理直前になると体温が下がるのが特徴です。 基礎体温を正しく測ることで自分の周期が把握でき、次の生理を予測しやすくなるでしょう。 また、排卵日を予測しやすくなったり、無排卵月経を見つけたりできるので、生理だけでなく妊娠や体調を管理したい方にもオススメです。 そして、生理予定日を過ぎても高温期が続く場合は、妊娠の可能性があるので調べてみましょう。 毎日規則正しく基礎体温を測ることで、生理前の兆候や排卵のサインを見逃さないようにしてください。

次の